8-5.明け渡し時の注意点
5.明け渡し時の注意点
帰国命令などで、住まいを明け渡すことがはっきりした時点で、まず賃貸契約書に再度目を通し、賃貸契約を解消するために必要な通知期間を正しく確認します。いつまでに契約解消したい旨の文書を、書留(aangetekend)で家主に送付します。
不動産業者が家主の代理になっている場合がよくありますが、いずれにしても契約書に記載の宛名に書留で送付することが大切です。又、文書中に明け渡しの日取りを家主と取り決めたい旨明記します。
明け渡しの準備で最も重要なのは、入居時点と同等の状態に戻さなければならないということです。 明け渡しを効率良く、そして迅速に行うため次の点を守って下さい。
- 明け渡しは出国当日に行わない。
- 明け渡し準備は、入居に要した時間より長めにとる。
- 家屋の清掃・修繕を行う。
- インベントリー記載の物品をチェック後、しまいこんであった物は取り出し、元に戻す。
- 庭付きであれば、庭の掃除、手入れもする。
入居時の状態に戻すため、家の中をきちんと掃除して明け渡す必要があります。特に、台所の油染みや、浴槽の汚れ、カーペットの染みなどなかなか大変です。自分で行うこともできますが、契約書によっては専門の清掃業者に依頼することが記載されているものもあります。清掃請負業者は、不動産業者に尋ねると紹介してくれます。
明け渡し準備の中に次の手続も必要です。
- 自分で申込みをした電気・ガス・水道やテレビ・電話・インターネット等の解約。
- 新聞、雑誌、登録した店やサービスの DM の配送中止手配。
- nl サイトから、郵便物転送サービス(有料)の手配。 https://www.postnl.nl/en/
- 市役所にて転出の手続きを行う。
市役所にて転出手続きを行わないと引き続き居住していると見なされます。毎年 1 月 1 日現在登録されている居住者に対して課される居住者分不動産税の支払い義務が生じ、離蘭後も請求書が送られ続けるので、転出手続きは必ず行ってください。
明け渡し当日は、家主と共に家屋の中をインベントリーリストに基づいてチェックします。その後、クレーム事項、紛失物、清掃の状態について話し合い相互に合意します。電気・ガス・水道等が家賃に含まれていた場合には、その清算方法等についても確認します。
備え付けの家具、壁や床についた損傷、故障、紛失など、家主からは修復にかかる費用が請求されます。これは、通常デポジットと相殺されます。
オランダの法律上、デポジットは最終月の家賃として充当することはできません。最終月分の家賃も正式に支払った上で、デポジットを払い戻してもらいます。